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フリーランスの税金対策でおさえておきたい3つのポイント

税金対策のアイキャッチ画像

フリーランスと税金対策には切っても切れない縁がありますよね。

会社に勤めていたときは年末調整などの税務関連のことは会社が代わりにおこなってくれていました。

しかし、フリーランスになると自分で確定申告をして税金を納めなければなりません。

そこで気になるのが節税などの税金対策ではないでしょうか?

この記事ではフリーランスの税金対策でおさえておきたい3つのポイントをご説明します。

フリーランスの税金対策のポイントは3つ

フリーランスの税金対策や節税において、必ず知っておくべきことが経費・控除・青色申告の3つ。

きちんと理解をして対策をしないと、支払う税金の額に大きな差が出ますので、よく確認しておきましょう。

①経費について

経費とは 売上を得るためにかかった費用のこと。

仕事で使うものを購入したときのレシートや、電車で取引先に訪問するときに駅の窓口で発行してもらえる領収書が支払いの証明書となります。

ただ、税金対策だからと仕事に関係のないものまで経費で落とすことは絶対にNG!

税務調査でそれが発覚した場合は脱税行為とみなされ、追徴課税や悪質な場合は重加算税などが科せられる可能性があります。

「これは経費になる?」を確認する方法

とはいえ、どこまでが経費で経費ではないのかの判断が難しい場合もありますよね。

インターネットの情報には誤ったものや古いものが混在していますから、確信が持てないまま自己判断するのはやめてください。

そういうときは税務署に確認するのが一番確実と言えるでしょう。

確認方法にはホームページで直接調べる・電話相談・チャットボットの3種類がありますが、おすすめはやはり電話相談です。

国税庁HPの『税についての相談窓口』では電話相談の手順や所轄税務署の連絡先が記載されていますので、積極的に利用しましょう。

参考:税についての相談窓口/国税庁

生活費に混ざった経費

フリーランスは自宅で仕事をする業種も多く、プライベートの区別のつきにくいときがあります。

経費とは仕事で売上をあげるためにかかった費用ですから、自宅で仕事をして使った費用も経費として計上できます。

例えば水道光熱費・電気代・インターネットのプロバイダ料金などが代表的なものです。

一見経費にできなさそうなイメージですが、仕事に使った分だけを一定の基準にあわせて計算すれば計上できます。これを家事按分といいます。

家事按分

要するに、家事按分とは生活費と経費を分けること。

家事按分の方法は、まず生活費の中から仕事で使っている部分を割合で出します。

そして支払った金額にかけて仕事に使った分だけを算出して経費とします。

按分の割合は自己申告です。常識の範囲内で設定しましょう。

経費にできる税金

フリーランスが支払う税金には経費にできるものもあります。

主なものとして、

  • 個人事業税
  • 印紙税
  • 固定資産税
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 自動車税
  • 自動車取得税
  • 自動車重量税
  • 利子税

などがあります。

これらの税金も生活と関わっているものに関しては家事按分が必要です。

対して、経費にできない税金は以下のとおりです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 延滞税
  • 加算税
  • 交通違反での罰金

②控除について

控除には『金額や数量を引く』という意味があり、節税においての控除とは所得控除と税額控除のことを指します。

所得控除

所得控除は全部で14種類。

なにか損をしたり病気や将来にそなえたりと、個人の特定の状況や事情があるときに控除をうけることができます。

自分にあてはまる控除があったときは、その年の所得から一定の金額を差し引くことができます。

会社に勤めていないフリーランスが控除を受けるためには必ず確定申告をしなければなりません。

自分に該当する控除がないかを前もって確認しておきましょう。

控除の名称 適用される条件 必要書類
雑損控除 火事や盗難など、家財や資産に被害があった 被害・災害関連支出の領収書
医療費控除 一年間の医療費が10万円超、もしくは所得200万円未満の場合にかかった医療費が総所得の5%超のとき 医療費・医薬品の領収書

かかった交通費のメモなど

社会保険料控除 国民健康保険料・国民年金・介護保険料など、その年に支払った社会保険料の全額が対象 支払証明書
小規模企業共済等

掛金控除

小規模企業共済・個人型確定拠出年金(iDeCo)などを支払ったとき 払込証明書
生命保険料控除 新(旧)の生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料などを支払ったとき 保険料控除証明書
地震保険料控除 地震保険料を支払ったとき 控除証明書
寄付金控除 2000円超の寄付をしたとき 寄付先からの領収書や寄付金控除証明書など
寡婦(夫)控除 配偶者と死別・離別しているとき 確定申告書に必要事項を記入
勤労学生控除 働きながら学ぶ特定の学生 在学する学校からの証明書
障害者控除 本人・家族が該当するとき 確定申告書に必要事項を記入
配偶者控除 控除対象配偶者の年間合計所得が48万円以下のとき 配偶者の所得・マイナンバー
配偶者特別控除 納税者:合計所得金額1000万円以下

配偶者:合計所得金額48万以上123万以下の控除対象配偶者

配偶者の所得・マイナンバー
扶養控除 配偶者以外の対象扶養親族がいるとき 確定申告書に必要事項を記入

扶養親族のマイナンバー

基礎控除 誰でも一律に受けられる

2020年より48万円に引き上げ

 

 

※内容は記事掲載日(2020年12月23日)時点での税法を元にしています。

参考:所得金額から差し引かれる金額(所得控除)

ひとり親控除について

令和3年2月16日から3月15日におこなわれる確定申告より、『ひとり親控除』の申告ができるようになります。

寡婦(夫)控除の改正により、これまでは対象外であった未婚のひとり親も控除を受けられるようになりました。

ただし、本人の所得が500万円を超えていると控除は受けられません。

参考:所得金額から差し引かれる金額(所得控除)/国税庁

お得感のある所得控除

所得控除には受けられるだけで節税効果が高い制度ですが、プラスアルファでお得な控除もあります。

小規模企業共済

小規模企業共済とは、国の機関である中小機構が実施しているフリーランスのための退職金制度のこと。

掛金は1,000円から70,000円の範囲で決めることが可能です。

一年間に支払った掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得から差し引くことができます。

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)も同様の控除を受けられます。

廃業や将来への備えをしながら節税もできるのは、大きなメリットではないでしょうか。

ふるさと納税

年末近くになるとよく話題になる『ふるさと納税』

自分の故郷や応援したい街に寄付をして、豪華な返礼品やサービスが受けられると人気の制度です。

寄付した金額から2,000円を差し引いた額を寄付金控除として所得から差し引けます。(上限あり)

控除を差し引いて所得が少なくなる=税金が安くなるので、節税効果が高いというわけです。

ふるさと納税関連サイトでは、控除上限額のシュミレーションができるので、興味のある人は試してみてください。

参考:ふるさとチョイス控除上限額シュミレーション

ちなみに、ふるさと納税の『ワンストップ特例』は、給与所得者(サラリーマンなど)を対象にしています。

フリーランスのふるさと納税は確定申告の寄付金控除でおこないましょう。

税額控除

税額控除とは最終的な税額から直接差し引く控除です。

代表的な税額控除には以下のようなものがあります。

  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
  • 特定増改築等中宅借入金特別税額控除
  • 配当控除
  • 寄付金特別控除(寄付金控除とどちらか有利なほうを選べる)

所得控除よりも節税効果が高いので、自分が適用できるものを確認しましょう。

③青色申告

確定申告は大まかに分けて青色申告と白色申告の2種類です。

青色申告は節税効果が高い申告方法ですが、いくつかクリアすべき条件があります。

青色申告特別控除

確定申告を青色申告でおこなうと、最大で65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

記帳のしかたや提出方法によって控除額が3種類あります。 

 簿記形式 青色申告特別控除の額
簡易簿記 10万円
複式簿記 55万円
複式簿記・e-Taxで提出 65万円

※内容は記事掲載日(2020年12月23日)時点での税法を元にしています

参考:No.2072 青色申告特別控除/国税庁

青色申告承認申請書を提出する

青色申告をするためには事前の申請が必要です。

開業届提出後2か月以内、もしくは青色申告をする年の1月1日から3月15日の間に青色申告承認申請書を税務署に提出します。

青色申告の記帳方法

青色申告の記帳方法は複式簿記・簡易簿記の2種類です。

簡易簿記は家計簿やおこづかい帳のような簡単な書式のものであるのに対し、複式簿記は簿記の記述形式に基づいた記帳が必要です。

複式簿記による記帳は手書きだと大変ですから、会計ソフトを活用しましょう。

簿記の知識がなくても青色申告として申請するだけで10万円の控除を受けることができます。

フリーランスになったらすぐに青色申告の申請を検討してみてください。

青色事業専従者給与

青色事業専従者給与とは、青色申告者の事業にかかわっている家族の給与を経費として計上可能となる制度です。

例えば、夫がフリーランスで妻が専業主婦の場合であれば、妻を青色事業専従者にすることによって妻に渡す分の給料を経費にできるというわけです。

ただし家族に関する控除には配偶者(特別)控除・扶養控除がありますが、青色事業専従者給与の控除との併用はできません。

妻の給与の額によっては配偶者(特別)控除の方が節税効果が高い場合もありますので注意しましょう。

【まとめ・フリーランスの税金対策】

フリーランスの税金対策についてご理解いただけたでしょうか?

節税を語るうえで経費・控除・青色申告の知識は必要不可欠です。

特に経費に関しては小さなことかもしれませんが、積み重ねると大きな節税効果を生む場合があるので、面倒くさがらずきっちりと計上しましょう。

青色申告は複式簿記による記帳ができるかどうかで控除額が大きく変わるところがポイントです。

また、控除額や適用される基準など、税法の改正は毎年のようにおこなわれています。正しい知識と情報を得るように心がけてください。

 

 

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市川 えり
2級ファイナンシャルプランニング技能士。専門分野は女性の働き方(起業・パート)・扶養・税金・社会保険・家計・ライフプランニング、フリーランスの確定申告・帳簿・経費・制度など。