フリーランスの方であれば、誰しもが経験するであろう『請求書の発行』。とは言うものの、「その請求書の書き方がよくわからない」なんて方も多いはず。
そんな方のために今回は、請求書の書き方を説明していきます。
請求書を書く意味とは
なぜ請求書が必要なのか、それがどういった意味を持つのか、見ていきましょう。
そもそも請求書は「自らが提供した商品・サービス等の料金の支払いを求める書類」のことを指します。
請求書を発行する理由は、文字通りお金を請求するために行うのですが、それだけではありません。後のトラブルをも想定して「いつまでに、いくらを支払ってください」という証拠を、あらかじめ残しておく意味があります。
または「あ、うっかり支払い忘れた」なんてことが起こらないよう、リマインドする意味も持ちます。
つまり、請求書は必ず発行するようにしましょう。
請求書発行の流れ
請求書と似たような言葉に、『見積書』・『納品書』・『領収書』があります。
簡単に説明すると
- 見積書:
ご依頼の内容は「これくらいの金額がかかります」と提示する書類 - 納品書:
「先日のご依頼分を、こういった金額・内容で納品します」と提示する書類 - 領収書:
「請求した金額の入金を確認しました」と証明する書類
です。
それぞれの書類は、以下の流れで発行します。
- クライアントから依頼
- 依頼内容を元に『見積書』を発行
- 受注(金額の調整等も含め)
- 作業
- 納品。『納品書』を発行
- 後日、『請求書』を発行
- クライアントからの入金を確認
- 『領収書』発行
文字通りではありますが、『6』の部分で請求書が必要になってきます。では次に『請求書の書き方』を具体的に説明していきます。
請求書の書き方
『請求書の書き方』については、以下の資料と照らし合わながら説明していきます。
先にザッと箇条書きすると、以下の項目が必要になってきます。
- 宛名(請求する相手の名称)
- 請求書No
- 請求日
- 支払い期限
- 振込先
- 請求元の情報
- 押印
- 請求金額の合計
- 各種請求項目
- 備考
それぞれ番号順に、見ていきましょう。
①宛名(請求する相手の名称)
会社であれば会社名を、個人の方であれば屋号・個人名を記載します。くれぐれも『御中』『様』の使い分けを間違わないように注意しましょう。
「誰々さん」といった個人に送るものであれば『様』。それ以外の会社組織や、部署といった個人名以外に送る場合は『御中』です。
(※貼り付けは、レイアウトの見本として『御中』『様』両方を記載していますが、「▲▲様」に送るのであれば、『御中』は必要ありません。)
②請求書No
この項目はマストではありませんが、設定しておくと自分自身の管理がラクになります。最もシンプルな番号の振り方は【請求した年月日】+【請求番号】にすることです。
例えば2018年の10月31日に請求書を出した場合
日付の【20181031】と、請求番号の【001】を組み合わせて【20181031001】などのように番号を割り振ります。
付け加えて言いますと、
案件ごとに見積書(M)・納品書(N)・領収書(R)、それぞれを紐付ける場合は、20181031001Sなどにするのも一つの手です。見積書であれば20181031001Mになります。
そのほか取引先の数が多い方であれば、取引先コードを設定すれば、番号を見ただけで「誰」と「いつ」やりとりした「どの書類」なのかも、一目でわかるようになります。各々が分かりやすい方法で設定すると良いでしょう。
③請求日
請求日は、いつの日付で設定すれば良いのでしょうか。請求先が個人の場合は、請求書を発行した日を請求日にすることが多いですが、企業宛の場合には請求先の締め日を請求日にすることが多いです。
というのも、ほとんどの企業においては、月末の日付と月初の日付で、経理上の処理が変わってくるからです。こちらは、以下2つの条件が重なったケースを考えると分かりやすいです。
- 1月にクライアントから依頼を受けて、2月に納品が完了した場合
- その上で3月が決算月で、かつ月末締め・翌月末払いを行う企業の場合
それに対して請求日を3月1日に設定した場合どうなるでしょう。
自分の口座にお金を振り込まれるのは、4月末ということになります。
つまりは請求日が2月28日か3月1日かによって、経理上の事情が大きく変わってくるため注意が必要です。
いずれにしても、「締め日がいつなのか」等を含め、不明な点があれば直接クライアントに聞いてみるのが、お互い安心です。
④支払い期限
お支払い期限は、必ず明記しておきましょう。契約時に、何か特殊な取り決めが行われていない限り、基本的には支払先の規定に従うことになります。
⑤振込先
資料の通りですが、
- 「どこの銀行なのか」
- 「何支店なのか」
- 「口座の種別は何なのか」
- 「口座番号は何か」
をもれなく記載する必要があります。
⑥請求元の情報
こちらは可能な限り、詳細に書くようにしましょう。
⑦押印
本来は印鑑どころか、書類すらなくてもOKです。請求のやり取りは、法律上の観点からすると口頭でも問題ありません。
それでも後々のトラブルを防ぐ意味で、請求書が交わされているのです。会社によっては、印鑑が押されていない請求書は、「請求書として認めない」という会社もあります。
結論としては、押印しておいて損はないといったところです。
⑧請求金額の合計
こちらは肝心の、実際に請求する金額となりますので、なるべく目立つように・分かりやすいように、記載しましょう。
⑨各種請求項目
こちらもそれぞれ、記載漏れがないよう注意してください。消費税の部分に関しては、一般的には単価の部分は税抜の金額で表記します。消費税に関しては、小計の後に金額を記します。
いずれにしても、消費税込みの値段なのか、そうでないのか受け取った側が明確にわかるよう記載しましょう。
⑩備考
支払人であるクライアントに振込手数料の負担をお願いする場合は、その旨を記載しておきましょう。(※備考欄に記載しなければならないということではありません)
請求書に関して、よくあるギモン
フリーランスも消費税を請求してOK?
ズバリ、請求してもOKです。
法律的には年収が1,000万円に満たない個人事業主の場合、事業者としての消費税を国に収める必要はないですが、そういった方でも問題はありません。
※フリーランスの税金に関しては、以下の記事をご覧ください。
フリーランスが支払う税金を徹底解説!初めてでもわかる税金の種類について
むしろ年収が1000万円に到達するか否かに関わらず、消費税分はしっかりと請求した方が良いと言えます。消費税はあくまで『税』であって『報酬』ではありません。元々の報酬金額に消費税を含める=実質的に報酬が下がったのと同義になります。
振込手数料の負担はどちら?
振込手数料の負担に関しては、依頼を受けるフリーランスの側ではなく、一般的には発注側(仕事を依頼する人)が負担します。
ただこれはあくまで一般論であり、ケースによって異なる場合もあります。決してうやむやな状態で業務をスタートしてはなりません。契約の段階でしっかりと「どちらが振込手数料を負担するのか」をお互い明確にしておきましょう。
PDFで送っても問題ない?
法的な観点からすると、PDFによる請求書は『有効』です。PDF送付にあたって、気になる『印鑑』に関してですが、こちらは先ほどもお伝えした通り押印が必須ではありません。それでも(非常に面倒ではありますが)、一度PDFデータを印刷し、押印してから、再度データ化するケースもあります。
また会社によっては郵送、つまりは原本でないと正式な書類として認めない場合もあります。こちらも同様、あらかじめ先方に請求書の送付方法を確認しておく方が無難です。
ちなみにですが、データ送付(PDFなど)が可能なクライアントさんであっても、注意すべき点があります。ExcelやWordといった、容易にデータの改ざんができてしまうファイル形式での送付は避けましょう。
請求書をイチから作るのは面倒…。そんな方は積極的にテンプレートの活用を
案件の獲得から、実作業、日々の経理業務まで、やることが山ほど存在するフリーランス。
少しでも無駄な負担を減らすためにも、以下のテンプレートを活用することをオススメします。
MFクラウド
家計簿アプリを運営するマネーフォワードが、提供しているテンプレート集です。ポップなデザインからスタイリッシュなデザインまで、70を超える豊富な種類から好みのテンプレートを選ぶことができます。
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みんエク!みんなのExcelテンプレート
全てのテンプレートが無料。会員登録が不要で、即座にテンプレートをダウンロードすることができます。
本記事では、上記を抜粋して紹介いたしましたが、そのほかに関しては以下の記事でも紹介しています。よければそちらも合わせてご覧ください。
まとめ フリーランスの請求書の書き方
請求書は、「これだけのお金を払ってくださいね」と請求する行為、つまりは相手にお願いをする時に使用する書類だと説明しました。
言うまでもないことではありますが、請求書を送る際は、記載漏れ・誤字脱字等、くれぐれも失礼がないよう注意が必要です。
また請求書の『書き方』ももちろん大事ではありますが、そこに書く内容も大事になってきます。特にお金や、経理上に関係してくる内容です。これらは決して不明な点をあいまいにせず、クライアントとしっかり中身をすり合わせておきましょう。
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