会社勤めからフリーランスとしての活動を始めるにあたり、仕事探しの強い味方になってくれるのがエージェントです。今回は現役フリーランスの立場から、エージェントを徹底比較し、メリットやデメリットを分かりやすく説明します。ぜひ、自分の働き方と照らし合わせ、その必要性を検討してみることをおすすめします。
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仕事探しの強い味方!フリーランスエージェントとは

フリーランスエージェントは、営業から契約締結までの業務を代行してくれるサービスです。フリーランスはクラウドソーシングサービスや知り合いからの紹介で仕事を探すのが一般的ですが、エージェントはその負担を軽減してくれます。
フリーランスが持ち合わせているスキルの確認や案件紹介、面談への同席やスキルシートや価格交渉など、エージェントは活動を始めたばかりの方が苦手に感じやすいポイントを補ってくれます。
また、仕事探しという点で行動されがちなクラウドソーシングサービスと比較すると、週3〜5日程度企業に常駐する案件を取り扱っている会社が多く、会社員で言うところの人材派遣会社のようなイメージに近いのがフリーランスエージェントと言えます。
フリーランスエージェントならではの4つのメリット

仕事探しをするうえで非常に心強い存在となるエージェントですが、フリーランスの視点ではどのような点にメリットがあるのでしょうか?
まずは、多くのフリーランスが実感しているとされる利点から確認していきましょう。
【メリット1】仕事探しを代理できるので本業に専念できる
フリーランスエージェントを利用することの1つ目のメリットが、仕事探しを依頼し、本業に専念できることです。会社などの組織であれ、営業と実務が分かれているのが基本ですが、フリーランスは仕事探しから業務までのすべての工程を1人でこなさなければなりません。
どのくらいの時間を業務に充てられるかが評価に直結するため、本業に専念できる環境のサポートをするエージェントは非常に心強い存在となるはずです。
【メリット2】フリーランスとしての市場価値を高められる
市場価値を高められることもフリーランスエージェントを利用するメリットの1つです。特定の業界でこのくらいのスキルや資格をもっていれば月収30万円といった相場のある会社員と比べ、自分のコミュニティがなければ、市場価値を比較することすらできないのがフリーランスの難点です。
そんな状態に陥ってしまいがちなフリーランスを適切な単価の仕事に導き、将来的なキャリア形成に関するアドバイスをしてくれるのも、フリーランスエージェントならでの魅力です。
【メリット3】継続した仕事が契約できる
会社員で言うところの人材派遣会社がエージェントであるため、フリーランスが不安を抱きがちな仕事の安定性についてもしっかりとサポートしてくれます。
週3〜5日程度企業に常駐する案件を取り扱っている会社が多いフリーランスエージェントですが、プロジェクトが終わるごとに仕事を探さなければならないという点では、クラウドソーシングサービスと変わりありません。
しかし、エージェントが案件の終了時期を見込み、早い段階で次の案件へのアプローチを計画してくれているため、不安な時間を減らすことができるのです。
【メリット4】フリーランスでありながら福利厚生があることも
依頼するフリーランスエージェントによっては、スポーツクラブの優待利用や人間ドッグや検診費用優待などの福利厚生を設けていることがあります。
一昔前までは福利厚生は会社員の特権と考えられていましたが、働き方が変化してきたことで、フリーランスにその権利を提供するエージェントが増えてきています。
フリーランスエージェントの2つのデメリット

フリーランスにとって多くのメリットが期待できるエージェントですが、すべてが好都合というわけではありません。
自分で仕事を探すことができる、新しい仕事にチャレンジしたいというフリーランスにとっては、エージェントを使用することがデメリットになってしまうこともあることも把握しておきましょう。
仲介マージンを支払う必要がある
フリーランスよってデメリットになってしまう可能性がある1つ目のポイントが、エージェントに中間マージンを支払う必要があることです。
エージェント経由で得た仕事は、平均的に毎月の契約料の10〜35%を仲介料として支払わなければならず、直接クライアントから仕事を受注できるフリーランスは仕事の単価を下げることに繋がります。もちろん、仲介料を調整してもらうことも可能ですが、目のこえたエージェントを納得させるほどのスキルや交渉力が必要になることは、あらかじめ把握しておきましょう。
クラウドソーシングサービスのシステム利用料の相場が報酬の20%ほどであるため、自分にあったメリットを見つけられない状態でフリーランスエージェントを利用し続けると、対価に対する不満を早い段階で感じ始めてしまうはずです。
過去の経験した業務以外に仕事ができない
過去に経験した業務以外に仕事ができないことも、フリーランスエージェントを利用することのデメリットです。言わずもがなではありますが、エージェントは優秀なフリーランスを企業に紹介することが仕事であり、エージェントの実績となります。
そのため、新しいことにチャレンジしやすい環境であるはずのフリーランスでも、未経験の仕事を受注することは基本的にできません。まれに未経験可の案件も存在しますが、単価が低く、会社に赴いく時間や労力を考えると利点はないと言えるでしょう。
おすすめのフリーランスエージェントを5つ厳選!

最後にフリーランスからの評価が高い5つのエージェントを紹介します。
フリーランスへの仕事の紹介やキャリア形成のアドバイスを行うサービス自体が比較的新しいため、それぞれに違った特徴があります。
フリーランスという働き方をする際に重きを置くポイントを明確にし、依頼するエージェントを吟味してみることをおすすめします。
それぞれのエージェントを比較
会社名 | 案件数 | 営業数 | 単価 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
レバテックフリーランス | 月間の新規案件数が400件以上 | 非公開 | エンジニアで60万円 | 年間案件提案数がダントツ。直受けで高単価が守られている。 |
フォスターフリーランス | 常時5,000件以上 | 非公開 | 非公開(230万円が最高単価) | 1996年からフリーランスITエンジニアに特化したサービスを提供。 |
PE-BANK | 50,000件以上 | 非公開(従業員数:契約社員含め106人) | 非公開(最大契約金額200万円以上) | マージン率が最大で12%継続するほどに下がる仕組みを導入。 |
Midworks | 3000件ほど | 非公開 | 非公開(手数料が10〜15%と安い) | 正社員並みの保障でフリーランスとしての働き方ができる。仲介手数料が業界でも低い。 |
ITプロパートナーズ | 非公開 | 非公開(従業員44名 。社員32名 、インターン6名 、業務委託6名) | 非公開 | 2〜3日の案件にも対応。自立したフリーランスを支援。 |
業界最大手のレバテックフリーランス
業界最大手とされ、月間の新規案件数が400件以上あるエージェントがレバテックフリーランスです。月間の新規案件数だけでなく、直受けで高単価が守られている点も大きな魅力であり、企業から直接依頼を受けている案件が多いという特徴があります。
仕事の紹介を受けると聞くと、エージェントは直接クライアントから仕事の依頼を受けていると思われがちですが、実はエージェントからエージェントに紹介され、その先にフリーランスが位置することも少なくありません。エージェントからエージェントに紹介された案件は、必然的に中間マージンが高くなるのです。
レバテックフリーランスは、高い単価を担保するために直受けの案件にこだわっています。

ITエンジニア専門のフォスターフリーランス
1996年からフリーランスITエンジニアに特化したサービスを提供し続けているエージェントが、フォスターフリーランスです。フリーランスへのたエージェントサービスが比較的新しい業界であるため、20年以上の実績をもつフォスターフリーランスは信頼するに値する企業と言えるでしょう。
また、営業スタッフの質が高いことでも有名なため、ITエンジニアをフリーランスとして活躍する際の職種にしたい方はキャリア形成も含め、適切なアドバイスを期待できます。
マージンの制度に特徴のあるPE-BANK
長く続けるほどに仕事の単価を上げられるのがPE-BANKの特徴です。PE-BANKでは、1ヶ月目から12ヶ月目は、12%。13ヶ月目から24ヶ月目は10%。25ヶ月目以降は8%という、段階的に中間マージンが下がる仕組みを導入しています。
フリーランスとしての実績をもとに仕事の単価を高めながら、中間マージンも下げられるためほかのエージェントよりも収入が増えるイメージをしやすい点に魅力があります。
収入保証が魅力のMidworks
Midworksは、フリーランスでありながら正社員並みの保証が受けられる数少ないエージェントの1つです。フリーランス協会のベネフィットプランを無償提供、クラウド会計ソフトのfreeeの個人事業主プランを無料で利用できる、案件受注期間中は保険料の半額を負担といった手厚いサービスが受けられます。
仕事が途切れてしまったときに受けられる給与保証制度もあるため、安定性を求めるフリーランスの理想を形にしてくれるエージェントと言われています。
自由な働き方を推奨するITプロパートナーズ
設立3年目のスタートアップであり、新たな提案に期待できるフリーランスエージェントがITプロパートナーズです。一般的にフリーランスがエージェントを利用した場合は、会社員なみの出勤を求められますが、ITプロパートナーズは週2の勤務も可としています。
ITプロパートナーズなら一部の業務を組織のなかで行い、そのほかの時間を所属しないフリーランスとして過ごすという新しい働き方も可能です。
まとめ

フリーランスエージェントは、営業から契約締結までの業務を代行してくれるサービスであり、フリーランスには次のようなメリットが生まれます。
- 仕事探しを代理できるので本業に専念できる
- フリーランスとしての市場価値を高められる
- 継続した仕事が契約できる
- フリーランスでありながら福利厚生があることも
ただし、フリーランスのこだわりによっては、次のようなデメリットが浮き彫りになってしまうこともあります。
- 仲介マージンを支払う必要がある
- 過去の経験した業務以外に仕事ができない
エージェントを利用することで、仕事を探す手間が経ること、市場価値を高めることといったメリットが生まれますが、その分単価が下がっていまうことも考えられます。利用を検討しているフリーランスは、利用することでメリットが生まれるかを今一度吟味することをおすすめします。
