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フリーランスの引越しに必要な手続きまとめ

フリーランス 引っ越し

フリスタ
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フリーランスの引越しには特別な手続きが必要なの?

通常の住所変更や、すませておいた方がいい手続きも教えてほしい

上記のような疑問にお答えします。

フリーランスの引越しには、役所での住所変更に加え、税金関係の手続きが必要です。今回はフリーランスの引越しに必要な手続きについてまとめましたので、

・引越しは経験したことがあるが、フリーランスとして引っ越すのは初めて

・引っ越したことがなく、手続きの方法が分からない

という方は、ぜひ参考にしてください。

フリーランス特有の手続き

フリーランスの方が引っ越す際には、

所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書

の提出が必須となります。

また事業所得が290万円を超えている方は、上記の届出書に加え、

個人事業税事業開始等申告書

も必要です。

各書面について、以下から詳しく解説していきます。

所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書

出典:国税庁

提出場所 転居前の住所を管轄する税務署
提出期限 転居してからなるべく早く

所得税や消費税などの、納税地の変更を知らせる書類です。書類の提出先は、引っ越し後ではなく、引っ越し前の税務署となるので、間違えないように注意してください。

届出を提出することで、開業届の事務所住所や確定申告時の提出先が自動的に切り替わります。

フリスタ
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提出期限は設けられていませんが、忘れないうちに手続きをすませておくことをおすすめします。

税務署での手続きには、上記書面のほかに、マイナンバー及び身元を確認できる書類が必要です。マイナンバーカードを持っているか否かで求められる書類は以下のように異なるので、チェックしておきましょう。

番号確認書類 身元確認書類
マイナンバーカードを持っている マイナンバーカードのみでOK
マイナンバーカードを持っていない ・氏名、住所が住民票と一致している通知カード

・マイナンバーの記載がある住民票の写しまたは住民票記載事項証明書

どちらか一つ

・運転免許証
・パスポート
・保険証いずれか一つ

なお納税地及び税務署の変更にあたり、

フリピヨくん
フリピヨくん
確定申告書は転居前と転居後、どちらの税務署に提出すればいい?

という疑問が浮かぶかもしれませんね。

管轄の税務署は届出書を提出することで自動的に切り替わるので、

届出書を提出する前→転居前の所轄税務署

届出書を提出した後→転居後の所轄税務署

で確定申告の手続きをすれば大丈夫です。転居前と転居後、両方の税務署に確定申告書を提出する必要はありません。

また届出書の下部には、振替納税に関する事項が記載されています。

出典:国税庁

振替納税を利用している人はここで希望する旨を選択しておかないと、改めて口座振替依頼書を提出しなければならず二度手間です。忘れずに「はい」にチェックを入れておきましょう。

個人事業税事業開始等申告書

出典:東京都主税局

提出場所 転居前の住所を管轄する都道府県税事務所
提出期限 転居してからなるべく早く

地方税に分類される個人事業税を納税する都道府県税事務所に対し、住所が変更した旨を知らせる書類です。提出先は転居前の所轄事務所となるので、注意しましょう。

提出期限は「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」と同様に、設けられていません。ただし確定申告時に所得額が都道府県税事務所に伝わり、課税対象となれば納税通知書が届く仕組みになっています。

フリスタ
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申告書の有無にかかわらず、事業所得が290万円を超えれば、個人事業税を払わなければならないことを覚えておきましょう!

住所変更に必要な手続き

フリーランス特有の手続きのほか、通常の住所変更手続きについて解説します。住所変更のために必要なステップは、以下の3つです。

①転出届(転居届)の提出
②転入届の提出
③社会保険の手続き

役所での手続きには、

マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、写真付き住民基本台帳カード 

などの本人確認書類に加え、印鑑が必要です。必須となる本人確認書類は自治体によって異なるので、事前に確認してください。また健康保険と年金の住所変更手続きも可能なので、保険証と年金手帳も持参することをおすすめします。

①転出届(転居届)の提出

提出場所 転居前の住所を管轄する役所
提出期限 転居日前後14日以内

まず転居前の役所で「転出届」の提出が必要です。手続きをすませるともらえる「転出証明書」は、後の手続きで必要となりますので、大切に保管してください。

転出届の提出は、引っ越す2週間前にすませておきましょう。転居後でも受け付けてもらえますが、引っ越してから転居前の役所に足を運ぶのは大変ですので、手間がかからないうちに終わらせておくのがベストです。

なお同じ市区町村内に引っ越し、管轄の役所が変わらない場合は「転居届」の提出のみで手続きが完了します。

②転入届の提出

提出場所 転居後の住所を管轄する役所
提出期限 転居後14日以内

転居してから14日以内に、引越し先の役所で住所変更の手続きをしましょう。

「転入届」のほか、転出時に受け取った「転出証明書」や本人確認書類、印鑑を忘れずに持参してください。転入届を提出すれば、基本的な住所変更手続きは完了です。

③社会保険の手続き

国民健康保険や国民年金といった社会保険も、転居にあたり住所変更が必要です。転出届及び転入届の提出時に併せて手続きできます。

ただし

・異なる市区町村に転居する場合

・同じ市区町村に転居する場合

で手続き方法が異なるので、ご自身のケースにあてはめて参考にしてください。

異なる市区町村に転居する場合


異なる市区町村に転居し、管轄の役所が変わる場合の健康保険と年金の手続き方法は、以下のとおりです。

国民健康保険

健康保険の住所変更手続きは、以下のようにおこなわれます。

①転居元の役所で「資格喪失手続き」をおこなう

②転居先の役所で「加入手続き」と「健康保険の住所変更」をおこなう

転出届及び転入届と一緒に手続きするとスムーズなので、各届出の提出時に健康保険証も持っていき、手続きをすませておくことをおすすめします。

国民年金

年金の住所変更手続きは、

転居先の役所で「年金の住所変更」をおこなう

だけでOKです。引っ越す前の役所での手続きは必要ありません。年金の住所変更も、転入届の提出時にすませておくと効率がよいでしょう。

同じ市区町村に転居する場合


同じ市区町村に転居し、管轄の役所が変わらない場合でも、健康保険と年金それぞれの住所変更が必要です。

特に年金においては、手続きが遅れて未納期間が生じてしまうと、受け取れる年金額が減ってしまう可能性があります。

フリスタ
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同じ市区町村内に引っ越す場合は、「転居届」と一緒に社会保険の住所変更手続きを忘れずにおこないましょう!

窓口以外の手続き方法

上記で解説した税務署や役所での手続きは、窓口での手続き方法でした。窓口以外に

・郵送

・電子申請

での手続きも可能なので、その方法を簡単にご紹介します。

郵送

郵送での手続きは、忙しくて窓口へ向かう時間がない、という方におすすめの方法です。

提出する書類以外に

・本人確認書類のコピー

・切手や封筒代

が必要なので、公式ホームページをチェックし、不備のないように準備しましょう。普通郵便でも送れますが、特定記録や簡易書留で送付すると確実です。

電子申請

税務署への届出書は、国税電子申告・納税システム「e-Tax」で提出できます。e-Taxの利用には本人確認書類の添付が不要なので、手続きに時間や手間がかからないというメリットがあります。

e-Taxを利用するための手順は、以下のとおりです。

公式サイトで登録手続きをする

②本人確認書類の代わりとなる「電子証明書」を取得する

③「電子申告・納税等開始届出書」を提出し「利用者識別番号」「暗証番号」を取得する

e-Taxの利用時間は、以下のように定められています。

平日(12月29日~1月3日を除く)
所得税等の確定申告期間(土日祝を含む)
24時間
土日祝の翌日稼働日 8:30~
毎月の最終土曜日と翌日の日曜日
(12月29日~1月3日を除く)
8:30~24:00

なお利用可能な時間帯であってもメンテナンスがおこなわれることがあるので、メンテナンス情報はこまめにチェックしましょう。

その他の手続き

ここまでフリーランス特有の手続きや、役所での手続きについて説明しましたが、それだけでは引越しの手続きがすべて完了したとはいえません。ここからは、一緒にすませておくべき5つの手続きについて解説していきます。

・電気、ガス、水道

・インターネット

・銀行口座、クレジットカード

・車関連

・郵送物の転送

電気、ガス、水道

ライフラインとなる電気、ガス、水道の引越し手続きについて解説します。それぞれの手続きには、①利用停止と②利用開始の2ステップが必要です。

それぞれの手続きは、引越しの1~2週間前にすませておきましょう。各ライフラインの管理先に連絡し、利用停止を申し込む場合には、以下の情報が必要です。

・お客様番号(領収書や検針票などに記載されています)

・利用停止予定の住所地

・契約者の名前 など

なお連絡手段は

インターネットもしくは電話

の2つを利用できます。

詳しい手続き方法については、以下の解説をご覧ください。

電気

電気の利用停止及び利用開始手続きは、以下のとおりです。

利用停止手続き

契約している電力会社に利用停止の連絡を入れましょう。引越し後も管轄の電力会社が変わらない場合は、そのまま引越し先での利用開始手続きも受け付けてもらえます。

なお電気の利用停止の際には、立ち会う必要はなく、ブレーカーを落として手続き完了となります。

利用開始手続き

新しい住所地を管轄している電力会社に連絡し、契約したい旨を伝えましょう。申し込みがすんだら、

アンペアブレーカー→漏電遮断器→配線用遮断器

の順番に「入」のスイッチを入れます。最後に「電気使用申込書」に必要情報を記入し郵送すれば、電気の引越し手続きは完了です。

ガス

ガスの利用停止及び利用開始手続きは、以下のとおりです。

利用停止手続き

契約中のガス会社に連絡して、利用を停止してもらいましょう。メーターが室内にある場合には、引越し当日に立ち会わなければならないので、注意してください。

フリスタ
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ガス栓を一度閉めてしまうと使えなくなってしまうので、閉栓のタイミングに気をつけましょう。
利用開始手続き

新居の住所地を管轄するガス会社に、利用開始の申し込みをしましょう。

なおガスの利用開始には立ち会いが必須となります。引越しの多い時期は予約が取れないこともあるので、スケジュールに余裕をもって手続きするようにしてください。

また立会日までに、使用予定のガス機器を用意しておきましょう。

水道

ガスの利用停止及び利用開始手続きは、以下のとおりです。

利用停止手続き

旧住所の管轄水道局へ連絡します。電気同様、管轄地内に引っ越す場合は、利用停止及び開始手続きを併せて申し込めます。引越し当日の立会いは必要ありません。

利用開始手続き

新居ではすぐに水道が使えるようになっているので、メーターボックス内の水止め栓を左に回し、水が出ることを確認しましょう。その後は

①「水道使用開始申込書」に記入し、郵送する

②インターネットで申し込み手続きをおこなう

のいずれかの方法で、水道の引越し手続きが完了します。

「水道使用開始申込書」が見当たらなかったり、蛇口をひねっても水が出なかったりという場合には、新居を管轄する水道局に問い合わせてください。

インターネット

今回は手続きに際して最も手間がかからない、現在のネット環境を新居でも継続して利用するケースについて解説します。

まず現在契約している回線業者とプロバイダ事業者の2つを確認し、転居先の地域でも利用できるかチェックしましょう。

なお転居先がマンションなどの集合住宅の場合は、すでに回線が引かれていることも多いです。管理会社に連絡し、回線の種類やプロバイダを自分で決められるか確認してください。

必要事項の確認がとれたら、

回線業者

プロバイダ事業者

の順に連絡をとり、ネット環境を移転したい旨を伝えてください。

・回線業者・プロバイダ事業者のホームページ

・電話

で手続きが可能です。

移転期間に制限はありませんが、余裕をもって引越しの1ヶ月前を目安に手続きしましょう。

なお転居先が一戸建ての場合は工事が必要です。引越しの多い時期では工事日の調整に時間がかかってしまうので、早めに回線業者及びプロバイダ事業者に連絡することをおすすめします。

銀行口座、クレジットカード

銀行口座やクレジットカードの住所変更方法もご紹介します。

銀行口座の住所変更手続き

銀行口座の住所変更は、以下の方法で手続き可能です。

手続き方法 必要なもの 
窓口  通帳やキャッシュカード
届出印
本人確認書類 
郵送 住所変更届
本人確認書類の原本もしくはコピー
電話 通帳やキャッシュカード
住所がわかるもの
暗証番号
インターネット 特になし


銀行口座の住所変更に期限は設けられていませんが、変更しないまま放置していると、

・転送不要郵便物が届かない

・ATMやネットバンキングのサービスに利用制限がかかる

・ATMで限度額以上の金額を出金する場合の「取引時確認」に時間がかかる

などのデメリットがあるので、忘れずに手続きしておきましょう。

クレジットカードの住所変更手続き

クレジットカードも銀行口座と同様、

窓口・郵送・電話・インターネット

での手続きが可能です。

住所変更をしないでいると、最悪の場合カードが解約されてしまう可能性があります。クレジットカードの住所変更手続きは複雑ではないので、忘れないうちにすませておきましょう。

車関連

車を所有している方が引っ越す際には、以下の住所変更が必要です。

手続きが必要なもの 手続き場所 
運転免許証 新住所を管轄する警察署もしくは運転免許試験場 
車庫証明 新住所を管轄する警察署  
車検証  新住所を管轄する陸運支局
新住所を管轄する軽自動車検査協会
ナンバープレート 新住所を管轄する陸運支局
自賠責保険
任意保険
各保険加入代理店

手続きには新住所を確認できる住民票や印鑑、各種証明書などが必要です。

免許証や登録している車の住所変更をおこなわないと、身分証明書として使えなくなったり、自動車税の納付書が届かず延滞金が発生したりする可能性があります。

車関連の手続きは、引っ越してから15日以内を期限としていることがほとんどです。申請状況によっては罰金が科せられることもあるので、手続きは速やかにおこないましょう。

郵送物の転送

郵便物の転送は、以下の3つの方法で手続きできます。

・窓口

・郵送

・インターネット

手続きしてから郵便物の転送が始まるまでに、3~7営業日かかります。ただし土日祝日は営業日に含まれていないので、引っ越す10日ほど前に手続きしておくのがベストです。

また郵便物の転送期間は、手続き日から1年間です。1年が経過すると旧住所宛ての郵便物は差出人の元に戻されてしまうので、引っ越した旨を周りに知らせておきましょう。

まとめ

今回はフリーランスの引越しに必要な手続きについてお伝えしました。記事の内容をおさらいしておきましょう。

フリーランスの方が引っ越す際に必要な書類は、以下のとおりです。

全員必須  所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書
事業所得が290万円を超える 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書
個人事業税事業開始等申告書

役所での住所変更は、以下の3ステップで完了します。

①転出届(転居届)の提出

②転入届の提出

③社会保険の手続き

以下の住所変更手続きも、必ずすませておきましょう。

・電気、ガス、水道

・インターネット

・銀行口座、クレジットカード

・車関連

・郵送物の転送

フリーランスの方の引越しは、税務署での手続きが加わることで、多少手間が増えるといってよいでしょう。しかし税金の支払いや確定申告にかかわることなので、速やかに手続きをすませる必要があります。

今回の記事を参考にして、スムーズに住所変更手続きをおこない、新居での生活をスタートさせましょう。

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