フリーランスとして仕事を始めるにあたり、
- 「ポートフォリオ」って何を用意すればいいの?
- なぜ「ポートフォリオ」が必要なの?
そんな疑問や不安をお持ちのフリーランスの方も多いですよね。特にフリーランスを始めたばかりの時は、わからないことだらけだと思います。
ポートフォリオは自分のスキルや実績を相手にアピールし、仕事の受注に繋げる「必要不可欠な営業ツール」です。
この記事では、これからポートフォリオを作ろうと考えているフリーランスに向けて、ポートフォリオに必要な情報と効果的な作り方を解説します。
そもそもポートフォリオとは?
ポートフォリオをいうと、「作品集」を思い浮かべる方が多いと思いますが、本来どのような意味なのでしょうか?
英語のPortfolio(ポートフォリオ)は、「書類をまとめておくケース」を意味し、「個々の書類をひとまとめにしたもの」のことを指します。しかも、綺麗に製本されたり綴じられたりしているものではなく、「差し替えが可能」な状態にある意味合いがあります。
フリーランスのポートフォリオにおいて大切なことは、ただ過去の作品や実績を並べた「作品集」ではなく、「自分のことを必要だと感じてもらえるように」、そして「仕事を発注したくなるような」ポートフォリオを作ることです。
ポートフォリオは大きく分けて紙のポートフォリオとオンラインのポートフォリオがあります。現在は「ポートフォリオサイト」としてオンラインで常に公開しているものが主流になっていますが、オンラインポートフォリオと紙のポートフォリオにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
- オンラインポートフォリオのメリット
更新がしやすい
URLを送るだけでポートフォリオを共有できる
検索エンジンやSNSを通して知ってもらえる - オンラインポートフォリオのデメリット
インターネット環境がない場所で見てもらえない
サーバー代などの維持費がかかる
小さいパソコンやスマートフォンだと細部まで伝わりづらい
- 紙のポートフォリオのメリット
インターネット環境がなくても見てもらえる
サイズや順番をこだわればオンライン以上に見え方をコントロールできる - 紙のポートフォリオのデメリット
印刷代がかかる更新がしづらい
持ち運びや郵送の手間がある
今の時代はオンラインでのやりとりが基本となっているのでオンラインのポートフォリオは必須でしょう。加えて、紙のポートフォリオも依頼された場合にすぐに印刷できるよう、PDFなどでデータを作っておくと安心です。
ポートフォリオはなぜ必要?
フリーランスにとって、ポートフォリオは自分の作品や実績をアピールし、新規案件獲得のためには欠かせない営業ツールであることは冒頭でお話しました。この項では、ポートフォリオがなぜ必要とされるのか、3つの具体例をあげてお話します。
フリーランスは実績とスキルだけが自分の商品だから
フリーランスは会社員のように会社のブランド力で仕事を得ることができません。これまで培ってきた実績とスキルで勝負しなければならないのです。そのために、自分の実績とスキルを商品として魅力的に伝えるポートフォリオが必要です。
履歴書や職務経歴書だけではわからないから
フリーランスに対してクライアントが知りたいのは、「求めるクオリティーの仕事をしてくれるかどうか」です。履歴書や職務経歴書をいくら書いても、クライアントが求める能力があることの証明にはなりません。履歴書や職務経歴書では伝えられないことを、ポートフォリオで伝えましょう。
今自分ができることを証明する資料だから
ポートフォリオは現在の自分の能力の証明するものです。決して過大に見せるものではなく「自分のどんな能力が相手の役に立つか」を見せるものなのです。正直に伝えることで、仕事のミスマッチを防ぐ役割もあります。
ポートフォリオが必要なフリーランスとは?
フリーランスであれば職種を問わずポートフォリオを作成しておきましょう。会社で営業職を経験していたとしても、いきなり自分自身を売り込むのはなかなかハードルが高いものです。そんなとき、ポートフォリオがあれば自分のスキルや実績を余すことなく盛り込めます。この項では、ポートフォリオが必要なフリーランスの職種を5つピックアップしてご紹介します。
Webデザイナー
Webデザイナーは、オンラインのポートフォリオサイトが確実に求められます。Webデザイナーの仕事はWeb上で表現するもの。新規のクライアントに実績をアピールするために自身のホームページを作った上で、「サイト自体が作品」と言えるようなポートフォリオコンテンツを作成しておきましょう。
イラストレーター
イラストレーターはビジュアルで表現する仕事なので、仕事を受注するときに必ず過去の作品が載ったポートフォリオの提出を求められます。見る相手を意識して、印象的な作品をトップにもってきたり、似たスタイルの作品ばかりが並ばないよう注意しましょう。クライアントに飽きずに楽しく見てもらえる工夫が必要です。
フォトグラファー
フォトグラファーも前述の2つの職種と同様に、制作物を見せない限りスキルが伝わらないため、ポートフォリオの作成が必須です。オンラインのポートフォリオと相性が良いので、「自分の作品性がよくわかる」「得意ジャンルがよくわかる」ポートフォリオサイトを作りましょう。
ライター
ライターも執筆したブログやメディアをオンラインで紹介することができます。ライターの仕事は「文字」で表現されるため、読み進めてもらうために「視覚的な工夫」があると親切です。例えば、雑誌、Webサイトなど作品が掲載された媒体のキャプチャと一緒に、メディアの説明、担当分野(執筆だけなのか、編集も担当したのかなど)、さらに読者の反応がわかる数字(PV数やいいね数)を入れると説得力のあるポートフォリオが作れるでしょう。
エンジニア
自分の能力をアピールできるポートフォリオは案件獲得に非常に重要です。フリーランスのエンジニアは即戦力を期待されますので、自分の実績や実力を伝えらるポートフォリオを作りましょう。ポートフォリオに掲載する内容は、これまで参加したプロジェクトの概要、コーディングのスキル、作ったアプリなどです。案件獲得を目指す会社がメインとしている技術を使用してポートフォリオを作る工夫もあるとさらに良いでしょう。
ポートフォリオを作ってみよう!
それでは具体的なポートフォリオの作り方をご紹介します!
ポートフォリオに最低限入れるべき情報
フリーランスのポートフォリオに最低限入れるべき情報はこちらです。
- 自己紹介
- 作品
- 作品のコンセプト、こだわり
- 自分が担当した範囲
- 使用したソフトや技術(スキル)
- 料金表・問い合わせ先
自己紹介
まずは「自分がどんな人物なのか」を詳しく記載しましょう。制作物がよくても、人となりがわからないと仕事を発注しようとは思ってもらえません。名前、出身地、活動拠点、経歴、SNS、得意なジャンルなど、文章にして伝えましょう。仕事において大切にしていることや座右の銘など、あなたの人となりが印象付けられると良いですね。
作品
過去の作品画像や制作したものがわかるキャプチャ画像を用意しましょう。作品がアナログの場合は写真撮影やスキャンをしてまずはデータをとるところから始めましょう。クライアントが知りたいであろう実績を示せるように配慮しましょう。
作品のコンセプト、こだわり
自分の作品を第三者に伝えるには作品のコンセプトやこだわりを文章にすることが必要です。初めて会う人に、自分のこだわりを「作品から感じ取ってほしい」と思うのは無理があります。クライアントは、今後一緒に仕事をしていく上で言葉で円滑なコミュニケーションをとれる人を好みます。時間がかかっても、作品のコンセプトとこだわりを自分の言葉で説明できるようにしましょう。
自分が担当した範囲
チームで制作した作品は、自分が担当した範囲を明記しましょう。ポートフォリオは自分ができることを正直に伝える資料です。能力が誤解されて伝わると、クライアントにとってもフリーランスにとってもやり取りの時間が無駄になってしまいます。無駄なコミュニケーションコストを減らすためにも、担当した範囲をはっきりと入れておきましょう。
使用したソフト
作品を作るために使用したソフトがある場合は記載しましょう。クライアントにとってわかりやすいスキルのアピールになります。バージョン情報なども記載すると良いでしょう。
問い合わせ先・料金表・サービスメニュー
問い合わせ先の記載も非常に大切です。料金表やサービスメニューは必要に応じてですが、「実際どのような仕事をどのくらいの予算でお願いできるか」がわかると、クライアントが依頼をしやすくなります。
以上がポートフォリオに最低限入れるべき情報です。ポートフォリオは定期的に更新し、常に最新の情報を盛り込むのもお忘れなく!
ポートフォリオサイトの作り方
SNSをポートフォリオの代わりに使うクリエイティブ系のフリーランスもいますが、あまりオススメできません。なぜなら、SNSは規格が決まっており独自性が出しづらい上、誰もが気軽に無料ではじめられるので「プロフェッショナル」として自身の作品をアピールするのには向いていないからです。SNSのアカウントを持ってたとしても、さらにポートフォリオサイトも運営する方が信頼に繋がります。この項では、専門的な知識がなくてもポートフォリオサイトを作れる2つの方法をご紹介します。
ポートフォリオ作成ツール
ポートフォリオサイトを自分で一から作るのは手間がかかるものです。Webの専門知識がない場合はポートフォリオ作成ツールが便利です。自分の作品に合うテンプレートに画像とキャプションを入れれば簡単に形になります。一度完成してからも常に更新をしていくものなので、なるべく簡単で操作性が良いサイトが理想ですよね。
おすすめのポートフォリオ作成ツール
WordPress(ワードプレス)
WordPressはWebの専門知識がなくてもサイトやブログの作成ができるコンテンツ管理システムです。自分でサーバー契約をする必要はあるものの、WordPress自体は無料で使うことができます。WordPressには「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートがあり、無料で使えるものも多くあります。ポートフォリオ用のテーマもたくさん出回っていますので、前述のポートフォリオ作成ツールと同じ感覚で作成が可能です。
また、Webライターの場合WordPressの操作スキルが必要とされることもあります。ワードプレスを使ったポートフォリオは、Webライターに特におすすめします。
紙のポートフォリオの作り方
ポートフォリオサイトは見る人が自由にリンクをたどりますが、紙のポートフォリオは基本的に最初のページから順番に見られます。見進めてもらうためには冒頭に印象的な作品を持ってきて作品に興味を持ってもらえるような作りを意識しましょう。紙のポートフォリオの作り方とコツはこちらの通りです。
構成を考える
まずは手書きで全体の構成を作りましょう。作品をどの順番で見て欲しいか、表紙から裏表紙までの流れとレイアウトを考えます。紙のポートフォリオは「製本」する方法と「ファイル」で綴じる方法がありますが、後から作品の入れ替えができるようにファイル形式がおすすめです。
適切なサイズでデータを作る
持ち運びと、受け取る人の扱いやすさを考慮したサイズでデータを作りましょう。ポートフォリオは作品集ではなく案件獲得のための「営業ツール」です。ビジネスで主に使用されるA4かA3サイズにそろえるのが良いでしょう。
データの作成はデザイナーであればPhotoshopやIllustratorで作成するのが一般的ですが、マイクロソフトのオフィス系ソフトを利用して作ることもできます。ソフトがない場合は、オンラインでポートフォリオのデザインができるツールもありますのでご紹介しておきます。
印刷する
ポートフォリオのデザインができたら印刷し、順番通りにファイルに入れて完成です。印刷は、自宅やコンビニのプリンターで出力する方法や、通販型や店舗型の印刷サービスを利用する方法もあります。
デザイナーやイラストレーターで、パンフレットや名刺など実際の制作物がある場合は、実物をポートフォリオに貼り付けても良いでしょう。
ポートフォリオを作るときの注意点
クライアントのために作った制作物をポートフォリオに載せる際は、クライアントの許可が必要です。作品は自分で作ったものであっても、権利はクライアント側に属しています。
また、チームで制作した作品には共同制作者の存在も忘れてはいけません。ポートフォリオに掲載する場合は、どのクライアント(企業)のために作った作品かという出典を明記し、共同制作者がいる場合は自分が担当した箇所を明確に記載しましょう。
注意を怠るとクライアントの信頼を損なう可能性があります。誰が見ても誤解のないポートフォリオを作成しましょう。
まとめ 【フリーランス向けポートフォリオの作り方】なぜ必要なの?注意点とは?わかりやすく解説
フリーランスの必須アイテム、ポートフォリオに必要な情報と効果的な作り方について解説してきました。
ポートフォリオはフリーランスの単なる作品集ではなく、新規案件を獲得するための営業ツールであることをご理解いただけたかと思います。
ポートフォリオは、「最初に一度作って終わり」ではなく、「フリーランスとしての成長とともに更新」することが大切です。
クライアントから評価された新しい実績や作品を随時更新して、自分のポートフォリオを大切に大きく育てていきましょう!
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