今の会社を退職して、フリーランスを目指すことになったとき、こんなことを考えませんか?
「フリーランスになるけど、手続きはどうするの?」
「フリーランスでも受け取れる手当はあるの?」
「フリーランスが手当を受給するための正しい手順があるの?」
実は、フリーランスは正しい手順を守れば、再就職手当を受給することができます。
この記事では、
- 再就職手当と失業保険の違い
- 再就職手当を受給する条件
- 再就職手当を受給するための手順
- 受給対象外になるNG行動
- フリーランスとしての自立を証明する方法
について解説しています。
もし、正しい流れを理解しておかないと受給できない、もしくは不正受給になるかもしれません。
この記事では、フリーランスが再就職手当を受給する条件や、受注する方法についてご紹介します。
再就職手当とは?
再就職手当とは、退職後早々に次の就職先を決めれば受け取れる制度です。
別名「ハローワーク就職祝い金」と呼ばれています。
受け取るためには、失業保険の給付期間を3分の1以上残して、再就職先を決めることが必要です。
しかし、フリーランスになる人は独立=再就職として認められるのでしょうか?
フリーランスも再就職手当を受け取れる
実は、フリーランスを目指す人も再就職手当を受け取ることができます。
手当を受け取るためには、ハローワークにフリーランスとして独立したと認められる必要があります。
受給するための条件とは?
フリーランスが再就職手当を受給できる条件は、いくつかあるのでご紹介します。
- 受給手続き後、7日間の待機期間(※)満了後に就職、又は事業を開始したこと。
- 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
- 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。
- 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。
- 1年を超えて勤務することが確実であること。
- 原則として、雇用保険の被保険者になっていること。
- 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支援手当の支給を受けたことがないこと。(事業開始に係る再就職手当も含みます。)
- 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。
※待機期間中に仕事等をしたことにより失業の状態でなかった日や、失業の認定を受けていない日については、待期期間に含まれませんのでご注意ください。
「引用:厚生労働省」
失業保険との違いとは?
突然仕事を失ったら真っ先に思い浮かぶのは、失業保険でしょう。
毎月のお給料から雇用保険が天引きされているのは、このためなのです。
では、再就職手当と失業保険の違いは何でしょうか?
実は、何のために作られた制度なのかという「目的」に違いがあります。
失業保険は、突然収入が途絶えてしまった人の生活をサポートする目的です。
しかし、フリーランスを目指す人は失業扱いにならないため、残念ながら受給することはできません。
再就職手当は、失業者が1日も早く社会復帰する目的があります。
フリーランスになるために会社を退職した人は、早々に仕事を始めるので、条件をクリアすれば受け取れるでしょう。
早く再就職すれば給付率は高くなる
再就職手当の支給額は、条件によって異なります。
しかし、早く再就職すれば給付率は高くなり、支給額も高くなるでしょう。
- 計算式:失業保険の支給残日数×給付率×基本手当日額
- 給付率:支給残日数が3分の2以上の人なら70%
- 給付率:支給残日数が3分の1以上の人は60%
ただし、基本手当日額には上限があります。
事前に計算をして、自分が受け取れる金額を把握しておくと安心です。
フリーランスが再就職手当を受け取る手順
フリーランスが、再就職手当を受け取るための手順があります。
ここでご紹介するのは、フリーランスになるために会社を自己都合退職した場合です。
流れを理解しつつ、必要なものを準備しておきましょう。
①前職から離職票を受け取る
会社を退職したら、離職票を発行してもらいます。
会社によって約2~3週間程かかるので、事前に受け取れる日を確認しておきましょう。
ちなみに、基本的な流れは以下となります。
「引用:転職なら、求人情報・転職サイトdoda(デューダ)」
②ハローワークで失業保険の手続きをする
離職票を持参して、ハローワークで失業保険の手続きをします。
このときに、必ずフリーランスになることを伝えておきましょう。
<持参するもの>
- 離職票
- マイナンバーカード
- 証明写真
- 印鑑
- 通帳
- 筆記用具
印鑑や身分証明書などは、使用する頻度が高いので常に持参しましょう。
ちなみに、社会保険を外れていたら、区役所や市役所で国民健康保険の手続きもしておきましょう。
③7日間の待期期間を過ごす
ハローワークで手続きを終えたら、失業したかどうかの確認作業があります。
先述の条件の中にあった、「7日間の待期期間」です。
その期間を利用して、フリーランスになるために必要なものを準備したり、資格の勉強をしたりして過ごしましょう。
④ハローワークの説明会へ参加する
ハローワークの確認作業が終わると、今後の手続きや日程の説明を受けるために、もう一度ハローワークへ行きます。
説明会を受けた後、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ってください。
ちなみに、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、厚生労働省のユーチューブチャンネルで説明会動画の配信も行っています。
混雑している場所に抵抗がある場合は、ハローワークに相談しましょう。
⑤1ヶ月間の制限期間を終えたら税務署へ開業届を提出する
ハローワークの説明会が終わったら、1ヶ月間の制限期間に入ります。
フリーランスになる場合は、時々ハローワークに近況報告をする必要があります。
それ以外の時間は、基本的に自由なので準備期間に充てられるでしょう。
制限期間が終了したら、いよいよ税務署へ開業届を提出します。
開業届を提出する際、身分証明書など持参するものがあるので、事前に確認しておくと安心です。
⑥ハローワークへ開業した旨を伝える
開業届が受理されたら、開業届の原本かコピーを持参して、ハローワークへ開業したことを伝えましょう。
もしハローワークへ報告しないと、現在もフリーランスになるための活動をしていると思われます。
さらに、再就職手当の手続きに遅れが生じるので早めに報告しましょう。
⑦再就職手当が一括で支給される
待ちに待った、再就職手当の申請をします。
ハローワークに提出するものは、以下となります。
<提出するもの>
- 開業届のコピー
- 再就職手当申請の書類
- 雇用保険受給資格者証
- 1年以上自営業として経営できる証明書のコピー
ハローワークの審査に通り、再就職手当が一括入金されるまでの期間は、およそ2ヶ月です。
これで、念願のフリーランスとして再就職手当を受け取れます。
再就職手当を受け取るための注意点
フリーランスが、再就職手当を受け取るためには、注意点があります。
再就職手当を受け取る条件をクリアしたつもりでも、まさかの落とし穴があるかもしれません。
退職理由によって開業のタイミングは異なる
勤めていた会社の退職理由によって、開業届の提出は異なります。
会社都合で退職した人が、フリーランスを目指す場合、7日間の待期期間を過ぎたら税務署へ開業届を提出することが認められています。
なぜなら、会社の都合で仕事を失ったので、一刻も早く就職先が必要になるからです。
一方、自己都合退職や懲戒解雇の場合、7日間の待期期間後さらに給付制限の一ヶ月間が必要でしょう。
もし、給付制限解除前に開業届を提出したら、再就職手当の支給対象外となるので注意してください。
前職の会社と業務委託契約を結んでしまう
もし、前職の会社から「フリーランスになったら業務委託契約を結びたい」と言われたら、応じますか?
フリーランスは、以前勤めていた会社との業務委託契約を禁止されています。
「とにかく仕事が欲しい」
「収入を安定させたい」
このような思いで安易に契約したら、フリーランスが唯一受け取れる手当を逃すかもしれません。
再就職手当を開業資金にして、自分の営業スキルに自信を持って仕事を受注しましょう。
開業して自立できると認められる必要がある
「開業届を提出すれば、あとは再就職手当をもらうだけ」と考えがちですが、フリーランスの場合は自営業として自立できる証明が必要です。
しかし、開業したばかりで自立を証明することは難しいです。
ハローワークに認めてもらうためには、一年を超えて事業を安定的に継続できるものが必要でしょう。
例えば、業務委託契約や秘密保持契約書(NDA)、そして発注書など仕事を受けている実体が分かるものがあれば大丈夫です。
まとめ
- 再就職手当とは、失業保険の給付期間を3分の1以上残して、就職先を決めれば受け取れる手当です
- フリーランスは、再就職手当を受け取る条件と手順があるので必ず覚えておく
- 失業保険は失業者の生活をサポートする目的があるが、フリーランスを目指す人はこれに該当しない
- 再就職手当は、退職後早々に社会復帰する働きがけがあるため、フリーランスが唯一受け取れる手当です
- 失業保険の給付期間が多く残れば、その分再就職手当の給付率も高くなる
- 会社を退職したら、離職票を受け取り、ハローワークで失業手続きを行う
- 7日間の待期期間が終了したら、ハローワークの説明会に参加する
- 自己都合と懲戒解雇の人は、1ヶ月間の制限期間に入る
- 制限期間解除後、税務署で開業手続きをする
- 開業手続き後、ハローワークへ開業届を提出した旨を伝える
- ハローワークで再就職手当の申請をし、無事受理されれば約2ケ月後に一括振込される
- 会社都合でやむを得ず退職した人は、7日間の待期期間後に開業届を提出できる
- 以前勤めていた会社と業務委託契約をしたら、再就職手当を受け取れない
- フリーランスは、ハローワークに自営業として自立していることを認められれば受け取れる
再就職手当は、必要な条件と正しい手順を守れば、フリーランスも受け取れる制度です。「自分のやりたいことがあるけど資金がない」
「自分も手当を受け取れるか不安」
など、行動する前から諦める必要はありません。
フリーランスとして、再就職手当を活用しながら事業の先を見据えた行動をしていきましょう。
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