税金・保険

フリーランスがやるべき1年間の経理業務を徹底解説!効率的にお金を管理する方法とは?

フリピヨくん
フリピヨくん
経理業務ってどこまで自分でやればいいんだ…

フリスタ
フリスタ
じゃあ今回は、フリーランスがやるべき経理業務を紹介していくね

フリーランスは、個人事業主という立場で、さまざまな経理業務を自分で行わなければいけません。自分のスキルで働いて自由なイメージが強いフリーランスですが、会社員と違って経理業務は企業と同じで大変です。独立したり、在宅で働いたりすると、さまざまな経費が発生していきます。個人で働くのは、意外と面倒なことも多いのです。

そこで、効率的に経理業務を行えるように、1年を通してフリーランスがやるべき経理業務の流れとポイントを僕の経験をもとに解説していきます。

フリーランスの経理とは?

経理とは、一言でいうと日々のお金の流れの管理をする仕事です。経理業務は、事業の取引や活動をすべて数字で管理することで、お金がどのような動きをしているかを「見える化」させることが可能です。

フリーランスとして起業した場合、個人事業主という立場になり、確定申告をする義務が課せられます。そのためフリーランスは通常1月から12月までの1年間を会計期間としてお金の出入りを記録し、その記録を基に決算書などを作成して確定申告をすることになります。

 

経理の業務はフリーランスとして働く人には不可欠な仕事です。

フリーランスの経理業務のメリットとは

フリーランスの経理業務の必要性といえば、確定申告のためというのが一番の理由です。しかしその他にも、事業の現状を感覚で見るのではなく、常に数字で把握することができるというのもメリットになります。

業績を数字で見ることで、実際の利益や損失がはっきり確認できて、資金繰りをスムーズに行えます。そして取引でのお金の出入りを帳簿に記録することで、収支のバランスを監視し、誤りのない経営判断を行うという重要な役割もあります。

 

フリーランスは職種によっては、経費がかかったり、金融機関に資金繰りの相談をしたりと、働き方によってお金の出入りが異なります。事業主として持続可能な活動をしているのか、しっかりと経理業務を行っていきましょう。

フリーランスの経理業務の流れ

経理業務の流れとしては、日々の経理業務のまとめを月次で行い、月次の経理業務のまとめを年次で行うというイメージです。

日々の経理業務

日々の経理業務の基本は、帳簿付けになります。発生した取引を逐一該当する帳簿に記載し、手元にある現金と預金残高を管理します。

領収書の整理

フリーランスの日々するべき経理業務の一つが領収書の管理です。領収書を整理して、その日のうちに内容を帳簿に記載していきます。

領収書の整理のポイント

① 記帳をすぐにしない場合は、事業用の支出だと分かるようにメモしておく。
② 領収書がもらえないときは、出金伝票を作成する。
③ プライベートの領収書はもらわない。もらってもすぐ捨てる。
④ 記載し終わった領収書は月ごとに封筒に入れて保管しておく。

領収書がもらえないときは、出金伝票で代用する

電車やバスの交通費など領収書のもらえない場合、文房具店に置いてある「出金伝票」を使って領収書の代用とします。

プライベートでは領収書はもらわない

領収書の整理で一番大変なのが、事業用とプライベート用を判断することです。経費にできるかもと領収書を何でもかんでももらっていると、後で思い出せなくて分類するのが大変になります。

その場で判断して、プライベート用だとはっきりしている領収書はもらわないようにして、もし受け取ってもすぐに捨てましょう。そうすると、残っている領収書はすべて経費にできる事業用のものだけになります。

記載済み領収書は、月ごとに封筒に入れて保管する

一日の終わりに、仕事上で取引したレシートや領収書を基に、その日の取引を現金出納帳に記載していきます。記載し終わった領収書は、月ごとに封筒などに入れて保管しておきます。領収書は7年間の保管を義務付けられているので、確定申告が終わっても捨てないように注意しましょう

記載済みの領収書は、後で見返すことはありませんので、時間をかけて丁寧にファイリングをする必要はありません。もし保管してある領収書を見返すとしたら、それは税務署なのですから。保存は多少雑でも大丈夫です。

現金出納帳の記録

現金出納帳とは、日々のお金の出入りを記録するための帳簿です。この帳簿は作成を義務付けされているわけではありませんが、確定申告書を作成の際に補助的な役割として役に立ちます。

記帳のポイント

・残高を常に一致させる
・現金過不足はその場で修正
・数字だけの帳尻合わせをしない

残高を常に一致させる

現金出納帳の記帳ポイントは、実際のお金の残高と現金出納帳の残高を常に一致させることです。そのためには、交通費や文房具など細かい現金の動きも漏れなく記帳することが大事です。

現金過不足はその場で修正

万が一、残高の金額が合わない場合その場で修正します。まず、領収書の記載漏れがないか再度確認し、領収書の紛失が原因の場合、出金伝票を作成して処理します。そして原因が分からない場合は、「現金過不足」で処理して現金と現金出納帳の残高を合わせます。

現金過不足があまりに多いと、「事業主の会計管理能力が低い」と税務署の心証を悪くするので注意しましょう。

数字だけの帳尻合わせをしない

帳簿付けで避けたいのは、金額が合わないときに帳簿の数字だけを調節することです。現金出納帳は少し数字をいじったところで「不正経理」という処罰を受けることはありませんが、簡単に「帳尻合わせ」をしていると後で調整が不可能なほど範囲が広がってしまう可能性もあります。

現金過不足は、発生直後は原因を突き止めやすいものです。ですから、記帳は毎日しっかり行うことが大切です。

預金出納帳の記録

預金出納帳は、普通預金や当座預金などの入出金を記録する帳簿です。

取引先からの報酬の支払いが銀行振り込みが多い場合、作成しておくと便利です。そして、事業用とプライベート用で口座を別にしておくと分かりやすくて記帳しやすくなります。

預金出納帳は、事業用の銀行口座の通帳をそのまま書き写すだけですので、帳簿付けの中では一番簡単かも知れません。

月一回行う経理業務

事業を継続していくためには、利益を出していかなければいけません。そのためには、常に数字を見て業績を管理していく必要があります。特に月次で行う経理業務は、確定申告のためだけでなく、事業の進捗状況のチェックと今後の方針を立てるために活用することが求められます。

実際の月次の経理の仕事は、取引先への請求・支払業務と1カ月単位のお金の動きのまとめをします。

月次の経理業務

・月ごとの事業の損益を集計して、月別総括集計表などを作成
・クライアントへの請求業務
・通帳の記帳と入出金のチェック

仕事をする上で請求書の発行はとても大事です。クライアントから報酬を回収するために、間違いのない正しい請求書を作成しましょう。そして、振り込み期日に指定口座に入金されているか通帳の記帳をして確認します。

年に一度必ず行う経理業務

年次に行う経理業務は、年間通して行ってきた取引の帳簿を決算してまとめます。これはフリーランスの経理業務の中でもっとも重要な作業であり、事業の規模に関係なく年に一度必ず行わなければいけないものです。

決算整理仕訳

一年間の会計期間が終わると会計上の締めくくりとして決算整理仕訳をします。決算整理とは、次の年にかかるお金を当年分と翌年以降の分に振り分けて、未処理のものをきれいに整理する作業をいいます。この作業は確定申告書を作成する前に必要になるものです。

そして、確定申告では発生主義を基本として税金の計算をします。しかしフリーランスは、帳簿付けを現金主義で行っていることが多いため、ここで発生主義の方法へ修正します。

発生主義とは?

発生主義とは、帳簿付けのタイミングのひとつです。実際にお金のやり取りがあるなし関係なく、取引が発生した時点の日付けで帳簿に計上するものです。

例えば、電気代や水道代など12月に受けたサービスであれば、支払いが翌年の1月であっても当年の経費にします。反対に、売上が12月であって翌年振り込みで受け取る場合でも、当年分の売上として計上しなければいけません。

売上

売上については、お金を受け取っていなくて帳簿に記載していないものを、今期の売上として計上します。

費用

保険料など1年分を前払いしているものは、まだサービスを受けていない部分を前払費用として次期に繰り延べます。電気代などすでにサービスを受けているが支払をしていないものは、当期の費用として計上します。

減価償却

業務用に高価なものを買ったとしても、全額をその年の経費にすることはできません。長期に渡って利用できるものは、数年・数十年をかけて少しずつ経費にしていく仕組みを減価償却といいます。

減価償却は、固定資産を購入した費用を耐用年数(資産が利用に耐える年数、寿命みたいなもの)で分割して必要経費とします。しかし、ここでの耐用年数は実際の耐用年数ではなく、物品ごとに法律で設定されている耐用年数を使います。

この減価償却費の考え方も発生主義と同じで、購入した年に全額を費用とせず、使用した分だけ当期の経費として計上するというものです。

固定資産台帳

パソコンや自動車などの固定資産を保有するフリーランスは、「固定資産台帳」を備えておくと減価償却の管理がしやすいです。減価償却の経過を記入し、減価償却額や未償却額などを明確にします。

確定申告の準備

決算整理仕訳が終わると、確定申告の準備が完了となります。現金出納帳などの補助簿を基に、すべての取引を総勘定元帳にまとめます。

総勘定元帳とは、「すべての帳簿が集計されたもの」です。その総勘定元帳を基に貸借対照表、損益計算書を作成して、確定申告に進んでいきます。

フリーランスは経理業務を効率良く

経理業務は収入に直接関わる仕事ではないため、できるだけ時間をかけず効率よく済ませて本業に力を注ぎたいものです。

自分で経理の勉強をすることももちろん必要ですが、会計ソフトを導入したり、専門家を外注で依頼したり、税務申告サービスを利用したりなど必要に応じて上手く利用していくことも経理業務の効率化には必要なことでしょう。

経理業務を効率化させるためには、まず全体像を把握して大きな流れを掴むことです。毎日行うこと、毎月行うこと、年度末に行うことを押さえて、チェックすべきところをきちんと確認して、正しい知識を身につけながら、速やかな経理業務を目指しましょう。

まとめ

要約リスト

・事業用の銀行口座を開設する
・経理業務は単なる事務処理ではなく、経営戦略に繋げる
・お金と帳簿の残高を常に一致させる
・経理業務は効率化が必要

経理業務は、溜めれば溜めるほど手を付けるのが億劫になり、確定申告になってから慌てるというケースが多くなります。そうなれば、自分の事業の売上さえも把握できてない状態で1年を過ごすことになります。

利益を出しているフリーランスは、決まって業績を数値化して自分の今の経営状態が頭に入っているもの。会社の経営者と同じです。日々10分の経理業務への対応が、事業の継続と利益に繋がっていくでしょう。

 

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